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今回の『月刊ヤン雀』にご登場いただくのは、麻将連合(ミュー)認定プロ最年少の小林剛(こばやし・ごう)プロです。
2年前には所属する麻将連合の3大タイトル戦の1つであるミューリーグを制して「将王」を獲得、この他にもかつては「第3回野口恭一郎賞・棋士部門」を受賞するなど、すでにトッププロの風格すら漂わせている小林プロですが、実年齢はまだ今年で31才、辛うじて?「YOUNG」の範疇にはひっかかっているでしょうか。ご存知「スーパーデジタル」の異名もすっかり板についた小林プロ、麻雀だけではなく私生活面でも「無駄なことには一切関わらない」とまで言われる「デジタル男」の素顔に迫ってみました。
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―月並みですが、まずは麻雀との初めての遭遇についてお聞かせください。
小林 高校生になりたての頃に友人に教わったのが最初ですね。よく周りからは「今のイメージからはほど遠い」と言われるんですが、僕は当時柔道をやってたんですよ。好きで、けっこう一生懸命やってました。結局、中学と高校の6年間ずっとやってましたからね。もっとも、僕が通っていたのは普通の公立中学や高校だったのでレベルは低かったですけどね。
―では、麻雀を打ち始めた頃は柔道との「両立」は?
小林 ええ、麻雀にはすぐにハマりましたが、柔道も一生懸命やってましたよ。麻雀は、覚えたての頃はやっぱりよく負けてましたけど、徐々にいい勝負ができるようになりました。卒業する頃には仲間内で最強になっていたと思います。
―そして、大学に進学されましたね。
小林 大学入学とほぼ同時に都内のフリー雀荘に通い始め、同時期に雀荘でのアルバイトを始めました。それ以降はよく聞く話ですが(笑)、大学の授業そっちのけで麻雀三昧でした。そうこうするうちにプロの世界があることを知り、自分もやってみたいなと自然に思うようになりました。それで、バイト先や周囲に最高位戦の選手がいたことから奨励会(注:当時最高位戦が設けていた、正選手になる前の研修のための養成機関)を経て最高位戦に入りました。もう今から10年以上も前の話になりますけど(と、ガラにもなく?遠い目をするコバゴー=小林プロのニックネーム)。
―最高位戦に入った当初から、ずっとこの世界でやっていくと腹を括られてたんでしょうか?
小林 そこまで具体的にことは考えてはいなかったんですが、最高位戦入りして2年目に井出(洋介。07年3月いっぱいで代表を退き、現・麻将連合GM)さんがミュー(当時は「麻雀連合」)を立ち上げたんです。その話を耳にした時に、まだ漠然とですが、「麻雀だけで生きていける世界を自分たちの手で創り出していこう」という考えに賛同したんです。
―なるほど。しかしプロになって2年目で、しかもまだ二十歳になるかならないかぐらいでよく決心しましたね。麻雀界に対する不安みたいなものはなかったんですか?
小林 やっぱり、好きなことで生きていきたいっていう気持ちは誰にでもあるものじゃないですか。当時の自分にとては麻雀がそれだったということですね。親を説得して大学を辞めたのも、結果的にはすぐに閉めてしまいましたが、自分で麻雀荘をオープンしたのも、結局自分のしたいことをやりたいという願望というか本能でしょうね。
―それから10年が経ちました。
小林 長かったような、あっという間だったような、そんな気がします。
―しかし、4年前には認定プロにもなり、タイトルも獲得されました。麻雀マスコミに登場する機会も増えていますし、麻雀プロとして一人前になったという自覚のようなものはおありなのでは?
小林 「スーパーデジタル」なんていう異名をつけられたり、『月刊プロ麻雀』(休刊)誌上で鈴木たろうさん(プロ協会)・村上淳さん(最高位戦)と3人で「オカルト・バスターズ」というユニットを組ませて頂いたりする中で、それなりに知名度は上がったかなとは思っていますが、やっぱり本当の「プロ」という点では満足できるようなレベルには達していないでしょう。この間ふと思いついて調べてみたんですが、プロになってからの生涯獲得賞金にしても、12年この世界にいて500万円にも満たない金額ですし。
―金額の多寡はともかく、麻雀界の「現実」を考えればそれでもトップクラスであることは間違いないとは思うんですが。
小林 「麻雀一本で食べていく」のがプロだというのであれば、やっぱりまだまだだなと思います。ただ、現時点でそれが望むべくもないのであれば、自分たちでそういう世界を創っていかなくてはならないと思います。時代の潮流なのでしょうが、ここのところやや簡単に「麻雀プロ」が誕生しているような気がしています。例えば女流にしても、タレントとして新たな分野を開拓していくという役割も担っていることことは認識していますが、やっぱりそれだけでは長続きはしないでしょう。「自分の職業は麻雀プロです」と普通に胸を張って言えるような世界にできるかどうか。結局それは、誰かがそういうステージを用意してくれるのを待つんじゃなく、自分たちで切り拓いていかなきゃならないと思うんです。
―それを強く意識して行動している“プロ”が果たしてどれだけいるか、と。
小林 ええ。例えばある人気プロがいて、そのプロが勤務するお店にはお客さんが殺到したり、掲載された雑誌がバンバン売れたり、TV局が取材にやってきたりと、そういう現象は非常に喜ばしいことだと思うし、麻雀が注目されているという証にもなるとは思います。でも、果たしてそれだけでいいかというと、やっぱり違うんじゃないか、と。
―プロの「存在意義」ということですね。
小林 そうですね。僕にしても、偉そうなことばかり言ってはいますが、自分自身まだまだだと思っています。でも、少しでもそういう自分なりにそういう活動を地道に続けていきながら、麻雀の技量ももっと上げていきたいな、と。目標はもちろん「業界最強」です。今、僕は31才ですが、ここからの10年間が本当のプロとしての勝負だと思っています。
―期待しています。今日どうもありがとうございました。
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冒頭にも記したように、すでにトッププロの仲間入りをしているといってもいい小林プロですが、見た目はいたって普通の「お兄さん」。“スーパーデジタル”の異名は持つものの、その素顔は決してマシーン的でもオタクっぽくもなく、とても好印象の持てる方です。
現在は、「マーチャオ新宿店」に専属プロとして勤務している小林プロ。お客さんの相手を務めたり、フロアマネージャーとしてお店全体に目を配らせたりする一方で、スタッフ対象の麻雀教室もこなすなど八面六臂の大活躍、多忙な中にも充実した毎日を送られているようです。
まだまだ課題の多い麻雀界ですが、いつの日か小林プロが理想とする世界ができ上がれば、我々麻雀ファンにとっても素晴らしいだろうなと改めて思わされたのでした。(K) |
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