26.オヤジ都市ブクロ

「しのぎ」の場として、しばらく「ブクロ」に留まることにしたオレ。その第2ラウンドは「アリアリの1‐2‐4、祝儀1枚500P」の店。連帯していれば、なかなか旨味のあるレートだ。

待つのが嫌いなオレは、東4局の親番25000点持ち、10巡目という条件であったが、おとなしく案内された。条件は良くないが、配給原点でトップとの差もマンガンならどうにかなるだろう。さほど問題は無いと思っていた。

メンバーから引き継いだ手牌はタンピンの待ちテンパイ。俺は「すいませんね!」とメンバーに言った。ダマでも良かったかもしれないが、親ということもあり、また昨日の癒しの効果か、思わず「リーチ!」と発射してしまった。

俺はメンバーにもらったおしぼりで顔をぬぐいながら、改めて場の状況を確認した。ドラは、河に1枚も捨てられていない。不安がよぎりあたりを確認する。南家が鳴いていた。「ありゃりゃ!まずいリーチしちゃったかな」と言った。対面が「まあ親だからね、勝手にオヤリー、なんちゃってさ」と、オヤジギャグが飛んだ。

そんなとき、対面が「じゃあ俺も勝手にやるか。ゴソー艦隊出動!」と、をアンカンした。新ドラが。それを確認した対面のオヤジが、ニタっと笑みを浮かべ「リーチ!!」と、一挙に局面が動き出した。修羅場の到来だ。俺の待ちの一方であるがカン、は場に2枚切れ。どうやら形成は不利だ。

そんななか、北家のオヤジは「勝手にやって、俺はオンリーマイウェイだから」と言ってを切り出した。3人の勝負になったようだ。この局面に少しは怯んでくれれば、という俺の願いも虚しく、2軒リーチに無スジを「全ツッパ」してくる南家。やはり南家もテンパイか。3人の勝負なのか。勝利の女神は誰に微笑むのかと思っていた。

その瞬間、南家が「チー」と言った。オレは「おいおいまだテンパッてなかったの」と一言。次巡にも南家はチーして「よーし追いついた」と言った。オレは「オジさん。参りました!なんだテンパイして無かったの」と冗談半分に嫌味を言った。

「こんなときは最後にテンパッた奴が不思議と勝っちゃうんだよな」と弱気なことを思いながら、オレはアガることをなかば諦めていた。すでに15巡目ということもあり「いくら親とはいえ、場を確認せずリーチをかけた報いか。せめて放銃しないで連荘できれば良しとするか」と思った。

しかし、南家に無スジをバンバン通され、ピンズ、マンズは全部通った。あと両面で考えられるのはだけだった。この状況に相手の待ちが気になるオレであった。オレはアガることより流局してもらって相手のテンパイ形を確認したかった。

その希望通り流局した。相手の待ちを確認する。対面は「なんだ兄ちゃんもオナテンか。オレも待ちだよ!メクリ勝負だったな」と。南家は「やっぱりフリテンじゃ厳しいな」と、待ちであった。自分の河にを2枚切っていた。俺は一言対面に「おじさん!それでツモってるんじゃないの!親リーだしドラポンだしよくアガらなかったね」と言った。

オヤジは「だって兄ちゃん!これじゃあんまりだろう」と意味が分からないことを言う。こんなオヤジ達と卓を囲むのか。オレは頭が痛くなった。

斉藤勝久プロフィール

生年月日
1969/1/28生
血液型
A型
キャッチコピー
『麻雀ばか一代』
所属団体
日本プロ麻雀協会所属
■雀王戦Aリーグ
■雀竜戦B級選手
第1話
大阪へ
第2話
熊谷リベンジ
第3話
ブラフ
第4話
モーニング
第5話
大宮から浦和へ
第6話
浦和の洗礼
第7話
煉獄の街・浦和
第8話
親父のるつぼ・浦和
第9話
男は西川口流
第10話
スリー入りの洗礼
第11話
西川口流フリテンの罠
第12話
西川口流まみれの日
第13話
ノガミ進出
第14話
ノガミのママ卓
第15話
親父の言葉
第16話
ノガミの特殊ルール
第17話
ノガミでトリプル
第18話
親父斬り
第19話
洗練のブクロ
第20話
こまいブクロ麻雀
第21話
悪夢のブクロ
第22話
悪夢のブクロ 2
第23話
甘美なブクロ
第24話
ブクロの癒し
第25話
ブクロの桃源郷
第26話
オヤジ都市ブクロ
第27話
ブクロのゴージャス配牌
第28話
後悔先に立たずリーチ
第29話
血染めの赤牌
第30話
血染めの本流
第31話
癒しの時間
第32話
泡銭は泡へ返す



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