7.煉獄の街・浦和

浦和の麻雀荘「大元荘」で初日からボコにされた俺。その日は素直に自分の負けを認め、店を退散する。が、頭には血が上り、体は火照って汗びっしょり。知らない人が見たら、運動した後のさわやかな青春の汗と写るであろう。

そんな俺だが、汗と一緒に目からこぼれ落ちるものがある。これがなんなのか瞬間わからなかった。だが、それがなにかと気づくのにそう時間はかからなかった。これが悔し涙か、と…。

負けるのは久しぶりだった。だが、この汗と涙がこの日の「ツカンポ」を洗い流してくれたようで、俺は心機一転、明日のリベンジを心に誓い、サウナで寝がけに一杯引っかけて眠りに入った。

そして翌日、意気揚揚と同じ店へ。すると連日の来店にメンバーも「いらっしゃいませ。東2局33000点持ち、現在親番、すぐ入れますよ、斉藤さん」と言った。その条件をことわる理由はない。続けてメンバーは「では斉藤さん、ドラは、ツモ番、ゲーム代はバイ付けで」と言う。初めてきた昨日とはずいぶん対応も変わった。

卓につき対局相手をチェックする。対面には昨日と同じオヤジが居た。そう俺をいたぶり、なぶり、サンドバッグにした一人だ。上家はリーマン風のオヤジ、下家は金持ち風のオヤジだ。俺の配牌は4巡目にすでにダブがアンコでドラ1のイーシャンテンという好形だ。

対面のオヤジに一発かますチャンスだ。「昨日の洗礼だ」と思いながら6巡目にの三面待ちでテンパイ。俺は「カミとシモは見逃して対面から直るか」と考えていた。そのとき下家が俺のアタリ牌を捨てるがスルー。すると、それにあわせて対面がアタリ牌を捨てる。「ムムム、俺をボコっただけあってなかなかやるな」と思いながら、3回ほど見逃すが対面からは出てこない。

そんなときに下家がリーチ、対面が危険そうなを強打して突っ張る。リーチをかけたオヤジが腰を使い、瞬間、ロンのしぐさを見せる。が、何事もなかったかのように知らん振りする。

待ちはマンズか?と俺は思った。そのオヤジの一発目のツモが

「よーし、ツモ!!役マン!!取り合えず役マン祝儀2000オールと赤3で7枚!! おっと裏がのった!!何枚だ?」と手を合わせた。

俺も手を合わせ「南無〜」とつぶやいた。洗礼を受けたのは俺のほうだった。3回もの見逃しが麻雀の神様を怒らせたようだ。

しかし、あのオヤジ、一発の出アガリを見逃して四暗刻にするか?出アガリでも数え役マンなのに。気づいてたのかな?

斉藤勝久プロフィール

生年月日
1969/1/28生
血液型
A型
キャッチコピー
『麻雀ばか一代』
所属団体
日本プロ麻雀協会所属
■雀王戦Aリーグ
■雀竜戦B級選手
第1話
大阪へ
第2話
熊谷リベンジ
第3話
ブラフ
第4話
モーニング
第5話
大宮から浦和へ
第6話
浦和の洗礼
第7話
煉獄の街・浦和
第8話
親父のるつぼ・浦和
第9話
男は西川口流
第10話
スリー入りの洗礼
第11話
西川口流フリテンの罠
第12話
西川口流まみれの日
第13話
ノガミ進出
第14話
ノガミのママ卓
第15話
親父の言葉
第16話
ノガミの特殊ルール
第17話
ノガミでトリプル
第18話
親父斬り
第19話
洗練のブクロ
第20話
こまいブクロ麻雀
第21話
悪夢のブクロ
第22話
悪夢のブクロ 2
第23話
甘美なブクロ
第24話
ブクロの癒し
第25話
ブクロの桃源郷
第26話
オヤジ都市ブクロ
第27話
ブクロのゴージャス配牌
第28話
後悔先に立たずリーチ
第29話
血染めの赤牌
第30話
血染めの本流
第31話
癒しの時間
第32話
泡銭は泡へ返す
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