5.大宮から浦和へ
俺のサウナ暮らしも10日がすぎ、フロントの兄さんや食堂のおばちゃんとすっかり仲良くなる。今日も俺は「おばちゃん、いつものね」と、モーニングとビールを頼む。こんな毎日で、いっこうにフトコロは暖まらない。が、寒くもなっていない。
いちおう雀屋で稼いではいるが、ついつい大宮ライフをエンジョイしてしまう。軍資金を残すのが精一杯だ。しかし、そろそろ河岸を変えたいところ…。大宮で麻雀を打つが飽きてきた。半荘2回ほど打ち、ラス半コールをかける。やはりそろそろ潮時か。
俺は大宮駅に足を向け、オレンジ色の憎い奴、そう高崎線に乗ろうとする。が、目の前には青色の電車(京浜東北線)が……。ホームを間違えたようだ。が、今の気分を表す青色に俺は黙って吸い込まれた。着いた先は埼玉の県庁所在地、浦和(現さいたま市浦和区)だった。
駅前に雀荘が一軒、その名も「大元荘」。レートは1-2-4、ルールは東南戦、赤3枚のアリアリだ。初めての店では入るまでの緊張感がたまらず、これがまたゾクゾクさせてくれる。さっそく店に入る。怖モテのメンバーから説明を受け、始まりの卓にいざ出陣。
俺は東家スタート、ドラは
。まずは相手3人をチェックする。と、これまた怖モテ。まあ、気にすることもないか。俺は俺だ。そして親につきガンガン攻める。そう、出るポン見るチー。とにかく先制攻撃だ。
5巡目には手パイが4枚になっていた。すでに3フーロのタンヤオ仕掛け。だが、俺に合わせるように下家はマンズのホンイツ仕掛け、対面は役パイのバック仕掛けのようだ。すでに3人は4枚麻雀になっていた。
連荘したい俺は心中穏やかではない。俺はまだテンパイしていないからだ。そこで俺はタンヤオ手にドラを引く。ますますアガリが遠のく展開に…。
俺の手パイは
の他はマンズだらけだった。そう何切るである。すべてが当たりパイに見える。とりあえず1枚マンズを切る。1巡は凌いだ。が、放銃も時間の問題か。
そんなとき下家が「チー」して初パイの
を強打、続けて対面が「ポン」。目まぐるしい戦いである。そして16巡目、俺にも役なしだがドラ待ちテンパイが入った。残りはあと2巡だ。
どうやら親は死守できそうだ。俺は「お前らツモるなよ!ドラなんか」と心の中で叫ぶ。俺は間違って青色に吸い込まれないよう気を引き締めた。やっとの思い凌いだこの局、終わってみれば4人テンパイ。しかもオナテン。俺は「フー」と一息。この雀屋でも凌いでいけそうな気がした。