ライバルと差がつく中国麻将(国際公式ルール)講座
=中級編=

小田宏一ツアー

★講師プロフィール

小田宏一(おだ・こういち)
麻将連合ツアートーナメント選手。手役追及型の雀風も影響して、手役の数が多い国際公式麻将ルールに興味を持ち、各大会で活躍中。現在、地元の大阪で日本式・中国式両方のマージャンの普及に力を注いでいる。好きな食べ物はカラアゲ。07年欧州選手権個人準優勝。




 中国麻将(国際公式ルールのマージャン)のルールや役を覚え、いざ実戦をやってみて「おや?」と思われたことがいくつかあると思います。恐らくその中の一つに「部分役の点数の数え方」があるのではないでしょうか。第1講では、それについて説明します。
 まず、役の中には「全体役」と「部分役」があります。「全体役」というのは14枚の手牌全体で役を満たすものです。缺一門・五門斉・清一色・大(小)干五・全不靠・推不倒等がそれに該当します。「部分役」というのは、手牌の中の6枚または9枚で満たすものです。連六・喜相逢・一般高・三色三歩高・三色三同順・花竜・組合竜などがこれに当たります。
それでは「部分役の点数の数え方」についてですが、次のような場合何点まで数えられるでしょう?



答えから先に言いますと、この形は3点までです。
の連六」「の連六」 「の喜相逢 」「の喜相逢」で計4点のように見えますよね? ただこれには決まり事がありまして、「部分役同士の複合は1回まで」となっています。
したがって、「の連六」 「の喜相逢 」「の喜相逢」の計3点までとなります。これ以上の点数加算は2回複合となってしまいますので、4点目を数えることはできないのです。注意してください。



 中国麻将の特徴として、「出アガリよりもツモアガリの時の収入が圧倒的に大きい」という点が挙げられます。
 仮に十三幺を放銃したとしましょう。88点+8点=96点の失点ですね。しかし、次の局に七対をツモアガリ(自摸+七対で25点は33点オール)すると、先ほどの失点を全部取り返すことになるのです。いかにツモアガリが大きいかということがわかると思います。
 しかし、だからといって常に他家から見逃してツモアガリばかり狙うのは感心しません。基本的にはアガれるときにアガっておく、この姿勢が大切だといえます。見逃すことにより他家にアガられると元も子もないですからね。
 では、どういう時に「ツモアガリ狙い」をするべきでしょうか。それは、

(1)オーラスなどで、逆転するためにどうしてもツモアガリしたい時。
(2)非常に早い巡目のリャンメン待ち以上のテンパイの時。

主にこの2つのケースです。

例えば、(1)のケースで次のような牌姿の場合

チー
ここで上家からが出た時、これをチーして打として 待ちにする方がいいでしょう。待ちを広くすることにより、ツモアガリの確率を少しでも上げるということですね。

また、(2)のケースで3巡目に次の牌姿の場合



ある程度は見逃してツモアガリを狙うのも作戦の一つでしょう(もちろんロン牌が出たらアガるべきです。あくまでツモアガリに「賭けてもいい」ということですから)。見逃しているうちに他家から仕掛けが入り、そろそろテンパイになっていそうだなと思えば、その時に誰からでも何が出てもアガるということでいいでしょう。ここの判断を誤るとせっかくのテンパイが無駄になってしまいますので気を付けてください。さらには、ツモアガリを狙いつつ、高目ので七星不靠なら出アガリするというのもアリでしょう。



 日本ルールと国際ルールの違いは結構ありますが、その中でも特に大きな違いとして、役の「食い下がり」がないというのが挙げられると思います。
 日本ルールですと、例えば一気通貫は鳴いてしまうと2翻から1翻になってしまいますが、国際ルールでは清竜は鳴いているからといって、16点から半分の8点になってしまうということではありません。メンゼンでも仕掛けても、清竜そのものは16点のままです。
 もちろん、何でも仕掛ければいいというものではありませんが、それでも基本的に国際ルールでは、やはり積極的に仕掛けた方が得であるのは間違いありません。ただ、門前清や不求人といったメンゼン限定の役は消えてしまいますので気をつけてください。
 例えば次のような牌姿、


日本ルールではなかなか仕掛けづらいところですが、国際ルールでは、はチーしておいた方がいいでしょう。もちろん、狙いはマンズの清竜です。
 それでは、役があまり見えていない手格好の時、どういった仕掛け(特にチー)をするべきでしょうか。国際ルールで重要なポイントとなる命題です。
 次の牌姿を見てください。



正直、いったい何を狙えばいいのか?というような形ですが、ここからであればならチーでいいでしょう。
 チーの基本は「123・456・789で仕掛ける」―これがポイントです。このシュンツがあれば、清竜・花竜・三色三歩高・三色三同順・一色三歩高のどれにでも対応することができるので、役の融通が利きやすいからです。
 上記の牌姿であれば、 をチーすることで、

の花竜

の三色三歩高

などにも対応できることがおわかりかと思います。
 また、チーの場合なら、

の花竜の他に、

の三色三歩高になるかもしれません。使い道は色々です。

 さらに、をチーすれば、ソーズの清竜の他にも、

の一色三歩高や、

の三色三歩高になる可能性も。もちろん花竜もあり得ます。

 現時点ではまだどんな役を目指すべきかが明確に見えていなくても、123・456・789ならばとりあえず仕掛けておいて、あとはツモまたは上家の捨て牌次第でどの役を狙うのかを考えていけばいいという考え方もできるわけです。こういった仕掛けと手役構想力を身に付けられれば、勝率もある程度上がるのは間違いありません。



 日本ではルール違反でも、国際ルールでは“戦術”として認められているものがあります。それが「邪魔ポン」です。
 これは、文字通り他家から「チー」の発声後に、自分が「ポン」することです。ただし、「チー」の発声後3秒以内にするようにしてください。日本式の麻雀に慣れている我々にとっては非常に違和感のある行為ですが、「チーされるのであればポンしてやろう」というのは国際ルールではもはや定番の戦術なのです。
  例えば、他家が次のような副露をしているとしましょう。

 
ここからさらに 「チー」の発声があった時、もし自分にが2枚あれば邪魔ポンをして、相手の手の進行の邪魔をしてアガらせないようにするのです。これはオーラスとかで、どうしてもアガらせたくない人に対して使うのが特に効果的だと言えるでしょう。 また、自分の手を進める邪魔ポンもあります。次の牌姿をご覧ください。


三色三同順狙いで、出来れば平和もつけたい、またはの「ポン」で、幺九刻・無字にしようと思っているところに、他家がを「チー」しようとすれば、点数こそ一番安くなりますが、邪魔ポンをしてテンパイにするといった使い方もあります。
  ただ、あまりこれを多用するのはやはり見苦しいことは間違いなく、ここぞという時にだけに使うことが望まれるのは事実です。



 国際ルールの実戦をやってみて、一番ネックに感じるのが「8点縛り」ではないでしょうか?「フー」と言ってみたものの数えてみたら実は7点しかなかった(=チョンボ)というのはしばしば見かける光景です。
  では、どういうときであれば8点縛りを満たすのかについて説明していきます。

  まず、メンゼンのタンヤオ・ピンフであれば、ツモアガリだと必ず8点以上あります。次の牌姿をご覧ください。


この手なら、 で三色三歩高ですが、だとアガれないと思われがちですが、ツモアガリであればどちらでもアガれます。不求人(4点)・断幺(2点)・平和(2点)・喜相逢(1点)で9点ありますね。
 では、この手での出アガリはできるでしょうか? 残念ながら和絶張(4枚目)等の特殊役がからまない限り出アガリできません。ツモアガリであれば問題ないのですが、出アガリの場合は門前清(2点)・断幺(2点)・平和(2点)・喜相逢(1点)となり、7点までしかありません。
  つまり、メンゼンのタンヤオ・ピンフの出アガリは、あと何かで2点を補充する必要があるということになります。この「あと2点」というのは、喜相逢・連六・一般高・缺一門・坎張・単釣将のいずれかになると思います。これは、不求人+2点(平和または幺九刻・無字等)のケースでも同じことが言えますね。

 また、大きな役を意識してしまうあまり、1点・2点役を見落としてしまい、8点縛りを満たしていることに気づいていないケースもよく見かけます。次のテンパイをご覧いただきましょう。


どうしてもソーズの清竜に目がいってしまいますが、をツモ切らないようにしましょう。 ツモだと、不求人・平和で6点。あと2点ですが、缺一門と連六がありますのでちょうど8点ですね。またツモならば、喜相逢もつきます。ただし、これはあくまでツモアガリの場合であって、出アガリはできませんので気をつけてください。
  さらにはこんなケース。



ここから清竜狙いでテンパイとらずの打とするのは、どうしても点数がいるような条件の時だけにしましょう。ここで打としておけば、 の出アガリができるからです。門前清・平和・坎張・缺一門・老少副・喜相逢でちょうど8点になりますね。
 小さな点数役を重ねていけば、意外に8点縛りはそう難しいことではありません。むしろ国際ルールの上級者は、これらの1点・2点役をかき集めて自分の手をアガリに導いている人たちなのです。大きい華やかな手ばかり狙っていては、なかなか勝率がUPしないのは、日本式の麻雀にもいえることではないでしょうか。
  1点・2点役を侮ることなく、全てをきっちり覚えるようにしましょう。特に缺一門は見落としやすいので気をつけてくださいね。



 日本麻雀同様、国際ルールでもオーラス(北4局)で逆転するためには何点の手をどのように(=出アガリ・ツモアガリ)アガればいいのかをしっかり把握しておく必要があります。要するに点差を意識して打つということですね。
 そのための「公式」をここで披露することにしましょう。

 まず、ターゲットとの点差が39点以下であれば、誰から何をアガっても着順が上がります。また、63点以下の点差ではツモアガリで必ず着順が上がります。このことをまず頭に入れておきましょう。
  さらに、100点差であれば、16点役のツモアガリで逆転。130点差であれば、24点役のツモアガリで逆転です。もちろん、花牌ありのルールであれば、自分の花牌の枚数によって条件が若干違ってくるのは言うまでもありません。

 それでは、その他の点差であればどうするのかというと、次の計算式で答えが出てきます。
 相手との点差をXとすると、

  (X−32)÷4でツモアガリ
  (X−32)÷2で直撃
  X−32で他家(脇)からの出アガリ


これで逆転となります。小数点以下は切り上げましょう。

  例えば現在トップ目と75点差としましょう。(75−32)÷4=10.7……切り上げて11となります。また、(75−32)÷2=21.5、切り上げて22。75−32=43となります。
 これにより、ツモアガリは11点以上、直撃は22点以上、他家からの出アガリは43点以上必要ということになります。
 32という数字の意味は、点数を支払う時、必ず参加料の8点を支払うことにより、32点の点差がつくということです。日本マージャンと比べれば少々複雑ではありますが、それでも覚えておけば必ず得になりますよ。 頑張って覚えて計算してくださいね。



 今回から「三色三歩高」について、その攻略法を説明していきましょう。
 ご存知のように、三色三歩高とは、ワンズ・ピンズ・ソーズで、
「123・234・345」や「456・567・678」
のように、 一目ずつズレたシュンツ3組・9枚で構成される役です。 国際ルールでは最も基本的な役であるといえるでしょう。
 また1点役と2点役を除けば、アガリの頻度が最も高い役でもあります。ですので、配牌をもらった時に、まず三色三歩高を狙えるのかどうかを意識するといいでしょう。また局の途中であってもある牌をツモってきたことにより、三色三歩高を狙えるケースもあり得ます。他の役を狙う時であっても三色三歩高に方向転換出来るようにもしておきましょう。
 以下の手牌をご覧ください。


 この形からであれば、色々な三色三歩高が狙える可能性があるのです。
 まず真っ先に思い付きそうなのは、


でしょう。でも、この手における三色三歩高のネタは実はこれだけではありません。

例えば、 に着目すれば、が思いつくでしょうし、他にもこの後のツモ次第ですが、

や、もあり得ます。
要するに、この手格好からは4種類の三色三歩高の可能性があるということです。
  ただ、 これだけのことを頭の中で整理するのはそう簡単なことではありません。最初のうちはミスを犯すこともあるでしょうが、慣れてくれば常に臨機応変に対応できるようになれると思います。



 当然のことではありますが、三色三歩高から一目ズレてしまう形になってしまうこともありますね。そういう時には「喰い替え」をするようにしましょう。国際ルールでは喰い替えの制限はありませんので、自由に役を作ることができます。不求人の4点でも8点縛りを満たせない時でも、喰い替えをすることによってそれが可能になることがあるのです。
 次の牌姿をご覧ください。



日本式だと立派なピンフのテンパイですが、国際ルールだとのどちらをツモっても点数が足りません。
こういった場合に「喰い替え」を利用するわけですが、まずはこの形からどの三色三歩高が狙えるのかを見ていきましょう。

 1つ目はが思い浮かぶと思います。
つまり、をチーして喰い替えるということになります。これでめでたく三色三歩高の完成となってのどちらが出てもアガれます(残りの2点はいうまでもなくピンフです)。
  この他にも、逆にをチーして打またはでもいいわけです。この場合はそれぞれまたは待ちになります。

 2つ目は、またはです。
 今度はをチーして喰い替えるということになります。ただし、この場合アガれるのはのみです。 だと三色三歩高になりませんので、勘違いしないように気をつけましょう。
 また、チーの場合はのどれかを切れば三色三歩高のテンパイになります。
 いかがでしょう? メンゼンより副露した方の点数が高くなるというのは国際ルール独特のものです。 こういったケースは国際ルールでは日常茶飯事です。いろいろとケーススタディを積んで、積極的に喰い替えをするようにしましょう。



「三色三歩高」で気をつけていただきたいのが、この手役は6点役のため、8点縛りをクリアするためには、あと2点が必要になるという点です。
 その「あと2点」を補填するために、現実的に考えられるものとして挙げられるのは、平和・または幺九刻・無字、これらがほとんどかと思われます。
 つまり、三色三歩高で8点をクリアするには「字牌を処理することによって8点以上」にした上で、出アガリ可能にするのが望ましいということになります。
 では、字牌が雀頭の場合はアガれないのかというと、決してそうではありません。次の牌姿をご覧ください。

 

確かに三色三歩高は立派に完成してはいますが、これだと辺張・三色三歩高の7点しかありません。要するに「ツモ専」というわけです。
 が、次の牌姿であればどうでしょう。

 

これであればピンズの老少副が付きますので、ちょうど8点となって出アガリが可能になります。このように役を見落とさないようにするのが三色三歩高での8点縛りクリアのコツでもあるのです。
  さらに、これはいかがでしょう。

 

これだと、坎張・連六・三色三歩高でちょうど8点です。
 以上のことから、三色三歩高狙いで字牌が雀頭の場合は、待ちまたは明槓の1点+部分役1点が必要だということがおわかりかと思います。常に頭にいれて手作りをするよう心掛けたいものです。



 それでは、、三色三歩高で8点ちょうどのイーシャンテンの形について見ていくことにしましょう。次の牌姿をご覧ください。



 ここで平和を意識しすぎるあまり、打とする人も多いかと思います。
 しかし、平和にしなくともこの手を8点にする方法は他にもあるのです。いうまでもなく、をポンして坎張・無字・三色三歩高の8点がそれです。もちろん、ポンならば幺九刻も付きますね。
 また、次の牌姿ではどうでしょうか。

  

あとはが要るわけですが、どちらのメンツが先にできるかで条件はかなり違ってきますね。
 まずが先の場合、

  

この形の場合、これでが出たら、坎張・無字・三色三歩高でちょうど8点となり、出アガリできます。
 では、が先の場合だとどうでしょうか。

  
       
これだとが出ても、無字・三色三歩高の7点止まりです。待ちの1点がありませんので、出アガリできません。もちろんツモった時は、ツモの1点が付きますのでツモアガリはできますが、ツモ専なのです。
 では、が上家から出た場合、指をくわえてこれを見送るしかないのかといえば、それがそうではないのです。
  をチーして、を切った形がこれです。

   

 ここで、たった今切ったが出るとどうでしょう? 単釣将・無字・三色三歩高で見事8点となります。フリテンの概念のない国際ルールならではのアガリです。
 こういう手段で8点を作っていくことを覚えると、アガリのバリエーションが増えるのは言うまでもありません。いろいろと研究してみてはいかがでしょうか。



 三色三歩高と三色三同順はよく似た役ということもあり、同時に狙える可能性もあります。例えばこんな形。


678の三色三同順とそれに絡む三色三歩高の両方が狙えます。ここからはのどれを仕掛けてもイーシャンテンになりますね。
 それでは何でも仕掛けた方がいいのかというと、決してそんなことはありません。同じイーシャンテンでも全然違うのです。
 では、ワンズから順番に検証していくことにします(仕掛けたあとの打牌はすべてとします)。
 まずチーの場合、

 
   
これであれば、三色三歩高のイーシャンテンにはなりますが、三色三同順が崩れてしまうことになります。ここからはまたはで三色三歩高のテンパイとなり、 リャンメンターツのそれぞれ片方にしか受けがありません。やや苦しい形であると言えるでしょう。
 次はチーの場合です。

 

さきほどのチーの場合と違って、これだと三色三同順はもちろん、三色三歩高も狙えますね。 のどれでもテンパイします。 リャンメンターツの両方が有効牌になりますので、いい形のイーシャンテンだと言えます。

 続いてピンズについて検証してみましょう。 まずはチーの場合、

 
 
これは先ほどのチーと同様で三色三同順が崩れてしまっていますね。のみの受けです。
  次はチーの場合、

 
 
これはチーと同様で三色三同順・三色三歩高の両方狙えます。 のどれでもテンパイします。
最後にソーズです。まずはチーの場合、

 
この場合は三色三歩高が崩れてしまいます。 のみ三色三同順のテンパイとなります。
 次はチーの場合、
この場合は三色三同順にはなりませんが、のどれでも三色三歩高のテンパイとなります。

 以上のことをまとめますと、こうなります。
1)は残りのリャンメンの片方でしか手役が絡まない。
2)はリャンメンのどちらでも三色三歩高か三色三同順が絡む。

このことから、2)のケースであれば積極的に仕掛けたほうがよいと言えるでしょう。また、1)のケースでは、巡目が早ければ見送るのも1つの作戦です。ただ、決して仕掛けない方がいいということではありません。とりあえず仕掛けておいて、役に絡まない方をツモってくれば「喰い替え」を利用し、別の形の三色三歩高または三色三同順にするのもいいですね。
  いろいろと実験してみて、自分のものにしてください。



 三色三歩高と三色三同順を天秤にかける場合、手牌がよすぎるため、かえって何を切ればいいのか、あるいは何を仕掛けた方がいいのか迷うこともあるかと思います。
 こういった時こそ落ち着いて、不要な牌を探し出すことが大切です。そんな時、誰でも最初のうちは長考になってしまうのは当たり前のことです。徐々にその時間が短くなっていけばそれでいいのだと考えるべきでしょう。
 では、次の手牌からは何を切ればいいでしょうか?



 日本式だと何を切ればいいのか悩むこと必至といった手格好ですが、国際公式ルールであれば、まず、678絡みの三色三同順と三色三歩高が狙いとして定まることと思います。
 ということは、ピンズはいうに及ばず、マンズ・ソーズ678周辺の数牌は必要ということになりますね。
 このことから、ここからの打牌候補はまたはの2つに絞られるのです。
 では、のどちらを切るのがいいでしょうか?
「打で、、打で、、このどちらでもチーテンを取れるのだから、どちらでもいいのでは?」と思った方はおられますか? その通り、鋭いですね。ずいぶんと慣れてきたと思っていただいていいと思います。
 確かにおっしゃる通り、これはどちらでもチーテンに取れる形になります。つまり、「イーシャンテンでの受けの広さ」という意味では同じです。
 しかし、「テンパイでの受けの広さ」を考えるとどうでしょうか?
 では、実際に検証してみましょう。まず打のケースからです。

チー   から打待ち

チー   から打oror待ち

チー   から打待ち

チー   から打待ち

チー   から打oror待ち

 では、これに対して打のケースではどうでしょうか。

チー   から打待ち

チー   から打待ち

チー   から打待ち

チー   から打待ち

チー   から打待ち

 いかがですか? こうやって見ると、テンパイの時にリャンメン待ちになる数が違うことがよくおわかりのことと思います。したがってここは「打」が正解となります。
 なお、参考までに、

 

この形でなら、の、なら、のそれぞれ三色三歩高となりますので、見落とさないようにしましょう。



 日本式麻雀でもそうですが、テンパイした時、どうしてもリャンメンターツの片アガリしかできないケースというのは往々にしてありがちなものです。
 しかし、中には前項の最後の手のようにどちらでもアガれるようなテンパイもあります。「王手飛車」といったところでしょうか。
 次の牌姿を見てください。



ここから打とするとでしかアガれません。 しかし、打とするとどうでしょうか? で三色三歩高、で三色三同順になりますね。
 ただし、



これだと、打とした場合はでしかアガれません。
 このケースでは打が正解ですね。 どちらでも三色三歩高になります。
 三色三歩高や三色三同順を狙う時、

 または 

といったシュンツがある場合、リャンメンテンパイのどちらでもアガれる可能性があるということを覚えておきましょう。

  次は仕掛けについて考えてみましょう。



123の三色三同順のイーシャンテンです。
ここから、は当然チーの一手ですよね。では、はどうでしょうか?
「三色三同順のチーテンではないから、チーしない」という方もおられるとは思いますが、狙える役は三色三同順だけではありません。そうです、の三色三歩高も狙えるのです。
  また、「現在メンゼンでイーシャンテン、もしをチーしてもイーシャンテンのままだからチーしない」という考えもあるかと思います。確かにそうですが、それでも受けの広さは少し違ってきます。

 
   
ここからはチーテンにとれますし、ツモもテンパイになります。三色三同順狙いでは有効牌がの2種類しかないのに比べて少し受けが広くなることから、はチーすべきだということがいえるのです。
 また、



この形はが欲しいわけですが、先ほどのような感じでをチーして受けを広くしてみてはいかがでしょう。特に、ここでのはぜひともチーをするべきです。打で、

 

この形になれば、のどれでも三色三同順か三色三歩高のチーテンになりますね。

 国際公式ルールで言えることは3つあります。
 1つ目は、「狙いを1つに絞らない」こと。常に他の役との天秤をかけておくことが大切です。
 2つ目は、「喰い替えだけではなく、喰い伸ばしをすることにより、アガリが近くなる」。最初のうちはこれがなかなかできないと思います。ただ、役を作る(=8点縛りを満たす)にはどのシュンツが必要なのかを見極めることが必要です。
 3つ目は、「メンゼンに縛られない」こと。積極的に仕掛けていきましょう。仕掛けることにより、アガリまでのスピードが早くなるのはいうまでもありませんね。



 ここからは花竜について学んでいただきましょうです。 
 花竜はワンズ・ピンズ・ソーズの「三色による一気通貫」です。このような形ですね。



 恐らく国際公式ルールの実戦では、メインの役として三色三歩高の次に頻度の高い役の一つといえるでしょう。
 また、花竜は三色三歩高や三色三同順のような複雑な手変わりがない(=解りやすい)ということもあって、比較的好まれるようです。しかし、花竜と天秤にかけられる役もありますので、それについても触れていきたいと思います。

 では、まず次の牌姿を見てください。



ここから1枚切るわけですが、さて何が要らないでしょうか?
 まずこの手牌から狙うとすると、



この花竜ですね。となると、打牌候補はのどれかになります。花竜になる部分が決まっていますので、あとはリャンメンターツかカンチャンターツの選択になるということです。もちろんリャンメンターツを残すほうがいいので、 打牌候補はのどちらかということになります。
 では最後の決め手ですが、この手牌から狙える役は果たして花竜だけでしょうか? よく見ると、



この三色三歩高も狙えることに気がつくと思います。つまり、ここでは打が正解となります。打とすると、この形になります。



 ここからのどれでもチーをして打とすれば花竜のテンパイですが、 チーの時だけは打とすれば三色三歩高のテンパイになりますので、状況に合わせて選択するといいでしょう。
 また、国際公式ルールではなるべく狙える役を1つに絞らないようにして打つべきですが、時には役を見切ることも必要です。例えばこんな手、



 さて、ここから何を切るのがいいでしょうか?
 ここで花竜狙いの打とするのはちょっと考えものです。ここは素直に打でテンパイにとっておきましょう。 これでまずのツモ専(不求人・平和・辺張・連六・喜相逢の9点)のテンパイですが、実はこの手にはここから手変わりの可能性ががあるのです。
 まず、 を入れ換えると456の三色三同順になります。また、ツモまたはチー、打でこの三色三歩高になりますね。



 さらに、チーでも三色三歩高になります。ペン(打)でもいいのですが、カンでさらす方が三色三歩高確定になりますので、こちらの方がいいでしょう。

 

これでどちらでも出アガリできます。
 これは花竜に限ったことではありませんが、国際公式ルールでは1つの役にこだわりすぎるとアガれなくしてしまうことが多々ありますので気をつけましょう。



 三色三歩高でも触れましたが、喰い替えをして花竜にすることもあります。次の牌姿を見てください。



この手牌であればやはり、



の花竜を狙うことになるでしょう。
 そういうわけで、はチーをします。
 なお参考までに、チーの場合はでさらす方がいいでしょう。打牌がですので、でさらしてしまうと、他家にあからさまに喰い替えを見せてしまいます。
 これは、何も喰い替えが悪いということではなく、このケースならばわざわざ見せなくてもいいということです。
 また、花竜に目が行き過ぎてしまうと、とんでもないミスを犯してしまう可能性があるので注意しましょう。例えば、は花竜には関係ないということでツモ切りしてしまいそうですが、この手牌にをツモるとどうでしょう? 不求人・平和・連六・喜相逢でちょうど8点ですのでアガれるのです。手役にばかり目がいってしまい、みすみすツモアガリを逃してしまうのはもったいないことこの上ありません。

 さて、もう1つ例を挙げてみます。



この場合はをチー(ツモ)できれば問題ありませんね。問題はその時の打牌です。この時、打と打では同じカンチャン待ちになりますが、ここはやはり「喰い替えを見せない」かつ「リャンメン待ちへの変化に優れる」打の方がいいでしょう。もし裏目のを引いてしまっても、その時に慌てず打として待ちにすればいいのです。国際公式ルールにはフリテンの概念そのものがないので全く問題ありません。

  チー 打

  ツモ 打

 これ以外にも、チーで花竜のテンパイになります。

  チー 打

  チー 打

 ただし、チーの場合は打の他に打という選択もあります。

  チー 打

 これだと、で平和・三色三歩高になりますね。この選択は状況によって使い分けるといいと思います。
 
 このように、三色三歩高と花竜は意外と関連する関係にあります。いわば親戚のようなものといってもいいかと思います。
 花竜の性質上、123と456の間、つまり、

123・234・345

234・345・456

または、456と789の間、つまり、

456・567・678

567・678・789


これらの三色三歩高であれば、花竜が絡む可能性がありますので覚えておいてもいいかと思います。



 ここからは「五門斉」について話を進めていきます。
 五門斉とは、ワンズ・ピンズ・ソーズ・風牌・三元牌の5種類で4メンツ1雀頭を構成する手役です。例えばこんな形ですね。

  フーまたは

 五門斉と七対の複合を可とするルールを採用しているところもありますが、本来の五門斉とは上記のように4メンツ1雀頭の「5つのパーツ」を作るものです(「斉」は「きちんとそろっている」の意)。
 
 この五門斉も、花竜と同じくらい実戦でよく発生する手役です。これは、日本式でいういわゆる「字牌の絞り」が国際公式ルールのマージャンではほとんどないことが一因かと思われます。また三色三歩高や花竜と違い、自在に仕掛けていくことができるので、スピード感があるのも特徴です。
 五門斉のキーになるのが風牌と三元牌です。もし、配牌でこの両方が対子であれば、積極的に狙っていくのがいいでしょう。また、数牌のバラけ具合では混一色にしていくのもいいかと思います。
  一例を挙げてみます。東場の東家の配牌がこうだとしましょう。



これならば、打またはとして五門斉を狙っていきましょう。できることならからポンして8点縛りを満たしていきたいところですが、 でもでも出たらポンしておきましょう。先ほども述べましたが、「字牌の絞り」がほとんどないので、 もそのうちに出てくるものです。ピンズでターツができてしまえばあとは絵を合わせるだけです。

 それでは、風牌と三元牌のどちらかが対子でもう片方が1枚持ちの時はどうすればいいでしょうか。こんなケースです(4巡目)。



ここからをポンすることによって確かに一手進みます。しかし、それでも五門斉のリャンシャンテンですね。
 字牌の利用価値の低い国際公式ルールでは、上の牌姿がテンパイして、 または待ちになったところで、もうすでに場に3枚切れなんていうことも珍しくはありません。やはりこういった仕掛けは成功しないことが多いものです。
 ただ、仕掛けてイーシャンテンならば見切り発車でもいいかと思います。同じ4巡目、



これならば、まだ成功率が上がるでしょう。をポンして打でイーシャンテン。これでを早めにチーできれば十分に勝負に勝負にります。もし、それでもまたはが早々と切られてしまったのであれば、花竜等に方向転換することもできます。

   フー

このような最終形を想定しておくのがいいでしょう。
 また、こんな牌姿の場合、



これはポンテン・チーテンですので、仕掛けるのは当然ですね。


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